ハワイで「べーシック・インカム」の導入が本気で議論されている

ハワイで今、最も問題視されているのは、全米トップと言われる生活コストの高さだ。例えば、ワンルームアパートの平均賃料は1800ドル、20万円近くにもなるという。その理由のひとつは、ハワイは土地の限界があるため、というシンプルなもの。どんどん建物を建てればいいというわけにはいかないのだ。

そんな高い生活費のせいもあって、ハワイは全米で最もホームレスの数が多い州とのイメージが通っている。リゾート地とはかけ離れているが、人口140万人のハワイで、ホームレスの数は7200人。比率で見ると、10万人のうち505人がホームレスという計算になるが、ホームレスが多いイメージのあるニューヨーク州では10万人のうち436人がホームレスということ計算になり、ハワイが上を行っている。

ホームレスが増えることで、畢竟、州の財政にも負担が押し寄せている。劣悪な状況での生活によって健康を害し、病院の世話になることも少なくない。大きな病院では年間1000万ドルの医療費がかかっているというが、ホームレスの人たちは医療費を支払うことができないため、結局、病院や州の財政にしわ寄せが来ているという。

そのような状況下で、ハワイ州知事は2015年、深刻なホームレスの増加に対して非常事態宣言を発動している。そしてホームレスに向けたシェルター建設など早急な対策を指示したのだが、当時のホームレスの数が10万人中465人、それが現在は10万人中505人になったことを考えると、事態は悪化していることになる。

市民団体などの精力的なボランティア活動などもあって、2017年5月には過去8年で初めてホームレスの数が減少したと報じられているが、それも若干、という程度で、ベーシック・インカムが必要になる可能性は相変わらず高い。

一方で、ベーシック・インカムの導入が議論される理由は、生活コストの高さやホームレスの問題だけではない。今後の州内のビジネス展望が明るくないという予測も大きく影響しているのだ。そもそも、ハワイはビジネスのコストや労働力、インフラといった項目は、全米で軒並み最低クラスであると評価されている。そんな状態のハワイが、さらなる不況に襲われるという見方が出ているのだ。

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