タックスヘイブン 大企業・富裕層は巨額な税金逃れ

無税だったスターバックス

特に問題になったのがイギリスのスターバックスです。スターバックスは、本社はアメリカのシアトルにありますが、世界30カ国に事業展開している大手のコーヒー専門店で、イギリスにも700店舗以上あります。このスターバックスが昨年末、イギリスの上院決算委員会に呼ばれ、アマゾンなど3社の代表と共に聴聞を受け、そこでいろいろな問題点が明らかになりました。

たとえば、過去15年間のうち14年間、スターバックスは損失を出していたというのです。どうやって損失を出していたかというと、たとえばコーヒー豆をスイスの子会社から帳簿上、高値で買い取った形をとって、イギリスにおける利益を減らしたという事実が判明しています。また、オランダにある欧州本社にブランドなどの知的財産権を移し、そこに巨額のロイヤリティを支払うことによってイギリスでの利益を減らすなど、いろいろな形で、イギリスでは納税義務を免れるようにしていたことが明らかになりました。

「私はスタバよりたくさん納税した!」とイギリス市民の怒りが爆発

こうした事実を知った市民は、スターバックスの店舗の前に座り込んで「私はスタバよりたくさん納税した!」と、無税だったスターバックスへの怒りを爆発させました。結局、スターバックスは今後2年間2,000万ポンド支払うことをしぶしぶ認めて事態を収拾しましたが、根本的な「税逃れ」の構造はまったくあらたまっていません。

アップル社は「税逃れ」で2%以下の税率だった

また、今年になってアップル社がアメリカ議会で問題になっています。アップル社はタックスヘイブンを利用した悪質な「税逃れ」のモデルとして上院小委員会が今年5月にヒアリングをしています。その中で、アメリカの法人税率は35%であるのに、アップル社は、実質2%以下の税率だったことなど、驚くべき事実が明らかになりました。

アップル社の本社はカリフォルニア州にありますが、アイルランドに3つの子会社を持っています。アメリカとアイルランドでは課税に対する考え方が異なっており、アメリカでは会社の設立地がどこにあるかによって課税しますが、アイルランドでは会社をコントロールする拠点がどこにあるかによって課税しています。この課税原則の違いを巧妙に利用してアイルランドからもアメリカからも課税されないという「税逃れ」を行っていました。

また、利益の6割を占める海外での販売による利益はすべてアイルランド子会社に集中し、その利益はロイヤリティ支払いによってオランダを通り抜け、タックスヘイブンであるバミューダに流していました。この「税逃れ」の構造を「ダッチサンドウィッチ」というのですが、オランダは単に経由するだけという意味です。こうしてスターバックスやアップルなど有名な企業の「税逃れ」のあまりにもひどい実態が明らかになり、タックスヘイブンがクローズアップされるようになってきたわけです。

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