最後の長老

この収録は2008年の4月11日のものです。「宇宙全史」第2巻に入れようと思っていましたが、やはり書いておくことにしました。実は白亜紀の大絶滅(6557万年前)から12万2000年前の大絶滅までの間に人類が5度も絶滅していました。この事実は全然別のものを収録中に出てきた事件ですが、これもやはりJUMUの不手際で起きた人類の絶滅でした。

その時地上に残った人類は子供でした。それもまだお乳を飲むような2才になったばかりの幼児だったのです。洞窟の奥深く、真っ黒な闇の中で泣く元気もなくなったその女の子は、2日前に亡くなったガリガリにやせた母親の胸にすがっていましたが、やがてそのまま息絶えていきます。

この氷河期は2000年続いたものでしたが、地球全凍結ではなく地上には凍っていないところも部分的には残っている状態の氷河期でした。洞窟は奥が地熱で暖かく、地域的に温暖な場所にあったため最後まで生き残った部族がいたのです。20~30人のグループで氷河期に入って約100年で絶滅しています。それでも人類の中では最後まで残ったというのは、まわりが温暖で食料の確保ができたということと、洞窟の奥に水が湧き出ていたということがありました。しかし最後のほうでは周囲の環境が氷漬けのようになってしまい、木はあるのですがガチガチに凍っていて、皮をはぐことも根を掘ることもできなくなっています。最終的には死んでいった人間を順番に食べて生き延びています。

人間の肉体は栄養が豊富で、そんなに食べなくてももったようで結構食いつないでいますが、それも限界がありました。最後に族長のようなお爺さんと、先ほどの子供のお母さんとあの子供が残りました。老人は長い間この洞窟のグループをまとめていた人物で、中々気丈な忍耐強い性格の持ち主で、彼がいたからこんな環境になっても女子供が残ったといえるでしょう(普通は女子供から食べられていきます。)彼は最後の最後まで神を信じ、何とかなる、生き残れると思っています。その信念はかなり頑固で、原始人のような生活の中でどのようにつちかわれたものかちょっと不思議に思えるくらいでした。老人がなくなり、その遺体で食いつないでいた母親も亡くなり、最後に2才になったばかりの幼女が息絶えました。
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